2014年09月17日
魔魚狩り

いきなりですが、図書館にはとても助けられています。
この本が本屋の棚に並んでいるのを見ても、興味は引かれるものの手には取らなかったでしょう。
同じ買うのなら、私もこういう小難しい本よりも、「こうすればもっと釣れる!」「大きい魚が釣れる!」のほうがそりゃあ好きですから・・・。
しかし、あまり興味のない分野の本も、気軽に借りる事ができるのが図書館の強みと思います。
いちおうは市民税を収めているので共同購入みたいなものになるのでしょうけど、そこはちゃんと利用したいですね。
で、この「魔魚狩り」ですが、バス釣りはもちろん、川や渓流釣り、海釣りの人も釣りをしない人にも読んで欲しい内容でした。
水口憲哉氏著、フライの雑誌社出版。
本のレビューというのはどう書いてわからないので得意ではないのですが、自分が気に入った所を少し紹介します。
その章のタイトルは、「メダカ、トキ、ブラックバス、そして純血主義」となっていて、アイキャッチとして「ブラックバス排斥論者に、純血主義、国粋主義、民族主義などの片鱗が見られ、おかしくなると同時に背筋が寒くなってくる」とあります。
内容の一部を抜粋すると、
中本さんは、数年前に世田谷区を流れる野川にメダカがいることに気づき、昨年夏より飼育、調査と強い関心をもつようになり、その増殖をも考えはじめたら、メダカが「レッドデータ・ブック」にも登場し脚光を浴びるようになった。
そこで、中本さんは世田谷区役所へメダカの保護を要請した。
中略
アイソザイムやミトコンドリアDNAについての分析結果は、野川のメダカは西日本型であり、東日本型ではなかったというものであった。
その挙句に、野川のメダカは、「世田谷弁を話すメダカではなく関西弁だった」ということになり、人々をシラケさせ、野川のメダカは強い関心をもたれることもなくそのまま放置されることになった。
そこに中本さんが保護を申し出ても、そういうことだからと区は動こうとはしなかったようである。
引用お終い。
と、なんとも日本的なお話です。
これ、世田谷区の野川のメダカではなくとも、日本全国どの川のどの魚にもありそうな話ですよね。
繰り返しになりますが、「メダカ、トキ、ブラックバス、そして純血主義」となっていて、アイキャッチとして「ブラックバス排斥論者に、純血主義、国粋主義、民族主義などの片鱗が見られ、おかしくなると同時に背筋が寒くなってくる」というフレーズはなにもブラックバスに限らず、渓流釣りの分野でも同じような事を見かけます。
このイワナ・ヤマメは本来この水系にいるべき種類ではないから、普段はC&Rをしているけど、こいつはリリースしない(殺処分)する。
う~ん、そんな個人的な活動でどうにかなるものなのでしょうか・・・。
一人のヒネクレモノの戯言としてスルーして欲しいのですが、釣りほど下種な遊びもないような気がします。
人を出し抜こうとし、人がいい思いをしていたら妬み(個人差があるかも?)、自分がいい思いをしたら自慢する。
そしてなにより、罪のない魚や餌になる生物を、自分の道楽の為だけに傷つける。
それでも、
1.知っていてやっている
2.知らないでやっている
3.知ろうともしないでやっている
この中では、「知ろうともしないでやっている」が、一番罪が重いと思っています。
だから、たまにはこうゆう本も読みます。
Posted by mtda at 22:10│Comments(0)
│雑記帳